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未生流東重甫

2020年 令和2年を迎えて


2020年 令和2年を迎えて

 新年あけましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。

新たな年号での初めての新春、輝かしい新年を迎えられたことと拝察いたします。

新年の誓いを毎年新たに設定しますが、今年は特に前を向いて進むべき年ではないでしょうか。

2020年、オリンピックイヤーと騒がれて久しいですが、このような大きなイベントがある年はきっかけの年でもあるかと思います。

中学時代に東京オリンピックが開催され、当時はまだ発展途上であった日本国中が湧きあがりました。オリンピックに合わせて何もかもが凄いスピードで発展していましたが、当の私はのん気に自分を楽しんでいたように思います。

そしてどこにいても当然のように様々なものが簡単に手に入る今の時代について改めて振り返ってみると、間違いであったとは言いませんが、大切なものを置き忘れてきたような気もします。

五行説に五常「仁・礼・信・義・智」という項目があります。また、日本書紀には推古天皇の時代初めて制定された12冠位とあり、聖徳太子が制定した12冠位として「上宮聖徳法王定説」に記述もあります。

この12冠位のなりたちですが、五行五常に徳を加えて徳、仁、礼、信、義、智に大小の区別が加わり12冠位となっています。すでに日本書紀の時代から五常の大切さが認められていたのです。もちろんこの五常は時代遅れでは決してありません

そして、今いけばなに携わっている多くのみなさんが、この五行説の1項目である五常を華道の教えの大切な基礎としてとらえていただきたく思います。

激動が予想される日本の中でも、一歩一歩を着実に進み、今年の年の瀬には充実した一年であったと思える日々を送りたいものです。まだまだ「雨奇晴好」に届かない私ではありますが、今年の書初めもやはり「泰若自然」を選びました。

皆様の温かいご指導、ご鞭撻を糧に一年を有意義に過ごしたく思います。今年一年が皆様にとって素敵な過去創りの一年になりますよう祈念いたします。

令和2年1月吉日

東 重甫

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