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1月の花:若松

  • 未生流東重甫
  • 2013年1月3日
  • 読了時間: 2分

未生流ではめでたく新年を迎える花として、元日は若松、2日は伐り竹(きりたけ)、3日は梅をいけてお正月の三が日を祝います。 特に元日は、五節句の日とも考えられていることから、若松を七五三(しめ)の伝でいけます。七五三の伝とは、注連縄(しめなわ)飾りの藁の節を三・五・七と付けた物を飾る所からその数を当て、七五三を「しめ」と称していけばなとの融合を計りました。七五三の伝としていけられるのは、松・竹・梅・万年青(おもと)くらいです。 この若松のいけ方は、その数字に意味を持たせ、7は水引(みずひき)七把の七、5は五体生ずとして体の前添えの新芽を五体に見立てての五、3は体・用・留がそれぞれ陰陽を一対として三対の三として「七五三」とします。 なお、若松は結婚式にも用いられる花で、この場合は七把の水引が腹帯を意味する事もあります。高位高官の方の結婚式には若松・竹・梅それぞれの七五三の伝いけを一つにまとめて「松竹梅」をいけます。 いける際に使用する若松は、3年か4年物の若松で葉があまり長くなく、先端部が平らに近いもので、多めの葉が長くついている物が良いです。ちなみに私は愛媛産の物を使っています。 いけ方は伸びやかで曲を感じない様にします。 7本いけますので足元は用・用添え・留の3本が揃っている事が望まれます。 水引は金銀の水引で、器の口から10cm位の所に結びます。 形は、相生結び(あいおいむすび)皿受け形とし、この凛とした感じが他の流派には無い良さを持っています。青竹の器にいけるとより新年の格調を感じます。他に薄端や銅製の寸渡(ずんど)などにいけて床の間に飾ると格調高くなります。 正月を迎えるに当たりやはりいけたい花の代表です。

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